西武鉄道の10000系電車NRAが富山地方鉄道へ譲渡されるとのことで、その軌跡を追いました。今回、譲渡されるのは10106Fの3両とクハ10102号車の計4両で、10102Fと10106Fは3月頃に横瀬車両基地へ回送され編成を一旦解かれたあと譲渡される4両編成に再度組成されました。その際、クハ10102号車は事前にラフテレーンクレーンを用いて方向転換が行われました。
横瀬車両基地で4両編成となった10000系が101系263Fの牽引で山を下り武蔵丘車両基地へ回送される。
山を下りた10000系4両は武蔵丘車両基地でしばしの休息をとったあと深夜終電後に263Fによる推進運転で飯能へ、飯能からは通常の牽引で小手指まで回送されました。
小手指車両基地へ回送された10000系4両は、アント移動機が連結された状態で車両基地17番線に留置されました。
西武10000系4両は10月10日の深夜終電後に101系263Fの牽引で同僚が寝静まった小手指車両基地を出発し所沢へ向かいました。出発の直前に西所沢9号踏切で発生した自動車脱輪事故により出発が1時間ほど遅れました。住み慣れた寝ぐらだけに少しでも長く居たかったのでしょうか…。
所沢駅6番線に到着した10000系4両は101系263Fを連結したまま夜を明かします。
いよいよ富山へ向けて旅立ちのときがきました、見慣れた景色や走り慣れた西武線の線路ともお別れです。優等列車でスピードを競い合った9000系や東急5050系、また噂を聞きつけ沿線に集まった大勢のファンに見送られながら263Fのエスコートで西武~JR連絡線を往く10000系4両。263Fから「きっと向こうでは5000系初代レッドアロー先輩が待ってる、会ったら”よろしく”と伝えてくれ。」なんて託されたのかな。
山口県は下松市で生まれ新製以来約25年ぶりにJRの線路を走行する西武10000系、牽引機は新鋭EH200形電気機関車(Blue Thunder)の13号機だ。
秋晴れの下、JR高崎線をひた北上する西武10000系。彼らは秩父や川越といった埼玉県の観光名物へ観光客を案内するのが主な役目ですが、そんな埼玉県ともお別れです。
群馬県に入り高崎駅の少し手前にある高崎操車場でひとときの休息をとる西武10000系。休憩の合間に初代レッドアロー先輩への手土産としてハラダのラスクを買ったかな?
夜中のうちに上越国境を越えた西武10000系は、日本海側を西へ向けてひた走ります。こちらではJR貨物のEF510形電気機関車”RED THUNDER”が牽引したことでレッドアロー×レッドサンダーの組み合わせが実現しました。雄大な日本海をバックに険しい地形を往く最強レッドのコンビネーション。
甲種輸送の終着である魚津駅までもう少し、悪天候にもめげずにラストスパートで走る最強レッドのコンビ。
埼玉県は所沢から遠路はるばる富山県の魚津駅に到着した西武10000系は、富山地鉄のモーターカーで入換作業が行われ新魚津駅構内の側線へ入りました。
魚津に到着した当日の深夜に富山地鉄14760形電車の牽引及び推進運転で車両工場がある稲荷町へ回送されました。
遠く埼玉からやってきた西武10000系と初めて手を繋ぐこととなった富山地鉄14760形14763F、お互い「よろしく!」と挨拶を交わしているかのようである。
ついに西武10000系が工場のある稲荷町に到着しました、長旅で非常に疲れた様子である。現時点で車両の詳細や改造の内容などは公式リリースされていないが、今後の活躍に期待するところである。初代5000系レッドアロー(富山地鉄16010形)とも約25年ぶりの再会を果たしました。
西武10000系の富山地鉄譲渡に関する記録は以上です。少々長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました
おまけ
初代レッドアローこと元 西武5000系(富山地鉄16010形)が活躍しています。
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